9年ぶりの『NOW YOU SEE ME3』、華麗なショーの裏に隠されたマジックの迫力不足

映画『グランド・イリュージョン』シリーズの待望の第3弾、『NOW YOU SEE ME3』が9年ぶりにスクリーンに帰ってきました。

本作は、悪人から不正なお金を奪い、人々に分け与えるマジシャン集団「フォー・ホースメン」の活躍を描いています。しかし、ファンが期待していたような息をのむようなマジックショーというよりは、舞台上の「ショウマン」に近い姿を見せ、やや物足りなさを感じさせます。

物語は、新進気鋭のマジシャンであるチャーリー（ジャスティス・スミス）、ジューン（アリアナ・グリーンブラット）、ボスコ（ドミニック・セサ）が、オリジナル「フォー・ホースメン」を模倣することから始まります。やがて彼らは、「フォー・ホースメン」のリーダーであるアトラス（ジェシー・アイゼンバーグ）をはじめ、マッキニー（ウディ・ハレルソン）、ジャック（デイヴ・フランコ）、ヘンリー（アイラ・フィッシャー）と合流します。

彼らは共に、「ディ・アイ」と呼ばれる謎の組織の指示を受け、不正な資金洗浄に関わるヴェロニカ（ロザムンド・パイク）一族を失墜させる計画を立てます。オリジナルメンバーと新世代マジシャンたちの、世代交代を予感させる共演が描かれます。

しかし、シリーズの根幹である「マジック」の存在感が薄れている点は残念です。かつて観客を魅了した、魔法のような華麗なイリュージョンは影を潜め、単なる手品やトリックの連続に終始している印象です。

特に、前作で高く評価された「フォー・ホースメン」の緊密な連携や、予測不能な展開は本作では見られません。壮大なスケールにもかかわらず、テンポの遅さと予測可能なストーリー展開は、作品に物足りなさを加えています。

とはいえ、お馴染みの顔ぶれと新世代の登場は新鮮さをもたらしており、二世代のマジシャンたちが織りなす化学反応は新たな楽しみを提供します。物語の終わりには、次なる事件の幕開けが示唆されており、彼らの新たな旅がどのように展開されるのか、期待が寄せられています。

上映時間は112分で、エンドロール後の隠し映像はありません。

『NOW YOU SEE ME3』に対する日本のネットユーザーの反応は、「映像は綺麗だったけど、マジック自体のインパクトが弱かった」「昔の『グランド・イリュージョン』シリーズほどではなかった」といった惜しむ声が見られました。一方で、「新しいキャストの組み合わせも良かった。続編が楽しみ」といった肯定的な意見も寄せられています。