天才モーツァルトを妬んだサリエリ、演劇『アマデウス』で描く人間の欲望

Article Image

天才モーツァルトを妬んだサリエリ、演劇『アマデウス』で描く人間の欲望

Minji Kim · 2025年11月11日 21:22

音楽の神が与えた祝福なのか、それとも人間的な嫉妬の表れなのか。

世紀の音楽家アントニオ・サリエリとヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの関係を描いた演劇『アマデウス』が、観客の心を捉えて離さない。

イギリスの劇作家ピーター・シェイファーの戯曲を原作とした本作は、サリエリが天才モーツァルトを妬み、嫉妬して破滅へと追い込んでいく悲劇的な物語を紡ぎ出す。幼い天才に対して抱いた大人の嫉妬は、時代を超えて人間の深い欲望と傲慢さを露呈させる。

貧しい田舎出身から宮廷音楽家へと成功したサリエリ役にはクォン・ホサン、クォン・ユル、キム・ジェウクが、神から与えられた才能を持つモーツァルト役にはムン・ユガン、チェ・ジョンウ、ヨン・ユソクが出演し、それぞれの解釈でキャラクターを演じている。

華やかな照明と美しい音楽、そしてダンスが調和した舞台は、まるで一本の映画を見ているかのような恍惚感を与える。白と黒の対比の中で描かれるモーツァルトの狂気とサリエリの苦悩は、劇の緊張感を高める。

尊敬される音楽家でありながら内面は腐敗していたサリエリは、推敲の跡が見られないモーツァルトの音楽を見て、自らの限界を悟る。これにより、天国と地獄を行き来するかのような心理的な破滅を経験することになる。

本作は「La generosa」という言葉を通して、当初は卑しい女を指していたが、後に寛大な女性へと意味が変化する過程を示し、人間の二面性を浮き彫りにする。一つを得るために他者を利用する姿、そして最終的に自分自身に失望する姿は、深い感動を呼ぶ。

愛と憎しみ、許しという複雑な感情線が美しい音楽と共に展開され、観客に深い余韻を残す。果たして誰が誰に許しを請うべきなのか。『アマデウス』は、この時代を生きる私たちに、真の許しの意味を問いかける。

演劇『アマデウス』は、23日まで弘益大学大学路アートセンター大劇場で上演される。

ネットユーザーからは「サリエリの人間的な苦悩が印象深かった」「モーツァルトの天才性と対照的なサリエリの嫉妬がリアルに迫ってきた」といった感想が寄せられている。また、「名作はやはり違う」「音楽も演技も素晴らしい」といった称賛の声も続いている。

#Antonio Salieri #Wolfgang Amadeus Mozart #Amadeus #Peter Shaffer #Kwon Ho-san #Kwon Yul #Kim Jae-wook