
ヨン・サンホ監督、『顔』の低予算制作秘話明かす「心の借りを返すには1000万観客が必要」
ヨン・サンホ監督が、自身の演出作『顔』の異例の低予算制作の裏話を明かしました。
15日、ソウル三清洞で行われたインタビューで、ヨン監督は2億ウォン台という超低予算で制作された『顔』について語りました。彼は、一般的な商業映画の3分の1程度のスタッフ(約20名)と、3週間で13回の撮影という短期間で映画を完成させたと語っています。
このような低予算環境での損益分岐点に関する質問に対し、ヨン監督は「予算が非常に限られていたので。でも、先行販売もありました」と慎重に話し始めました。そして、「私の心の借金を清算するには、1000万観客が必要だと思う」と冗談めかして、その重圧を表現しました。
また、俳優パク・ジョンミンがノーギャラでの出演を決めたことについて、ヨン監督は「提示した金額はあったが、パク・ジョンミンがどうしても受け取らないと言った」と、彼が作品に注いだ深い愛情を明らかにしました。さらに、プロモーション活動にも積極的に参加するなど、並々ならぬ努力を傾けていると付け加えました。
ヨン監督は、韓国映画の投資システムに対する自身の考えも述べました。「投資システムが、好みが分かれる点を減らそうとする形で制作されるのが、映画を良くするやり方だとは思わない」とし、「予算が大きくなるほど、作品の尖った部分が削られていくように感じる」と語りました。
最後に彼は、「個性が際立った映画を作るべきだ。今後の劇場システムも、個性を強化する方向へ進むべきではないか」と、韓国映画の未来に対する自身の見解を締めくくりました。
ヨン・サンホ監督は、『新感染 ファイナル・エクスプレス』、『悪霊ハンター 災厄の降臨』、Netflixシリーズ「地獄が呼んでいる」など、ジャンル映画で独創的な世界観を構築することで知られています。彼の作品は、現実的な問題や社会風刺的なメッセージを盛り込むことで定評があります。『顔』は、これまでの作品とは一線を画すヒューマニズム的なストーリーを描いており、さらなる期待を集めています。