
ミュージカル「SHADOW」、悲劇的な親子物語で観客を魅了
朝鮮王朝時代、最も悲劇的な事件の一つである英祖(ヨンジョ)と思悼世子(サドセジャ)の物語を扱った創作ミュージカル「SHADOW」が、タイムループファンタジー要素を加えて、観客から熱い支持を得ています。
9月に初演されたこの作品は、米びつに閉じ込められた思悼世子が8日間の苦痛の中で過去にタイムトラベルし、幼き日の父、英祖に出会い、親子間の葛藤を解消しようとする過程を描いています。死んでも解けなかった恨(ハン)を、263年ぶりに舞台の上で解きほぐそうとしています。
「思悼」役のチンホ、シン・ウンチョン、チョ・ヨンフィ、「英祖」役のハン・ジサン、パク・ミンソン、キム・チャンホといった俳優たちが、すれ違う運命の中で互いに許しを請う演技を披露します。米びつという狭い空間に閉じ込められた思悼と、彼を閉じ込めた父、英祖の悲劇が作品の中心軸を成しています。
タイムトラベルを通じて、思悼は幼い英祖に出会い、武術、歌、踊りといった自身の才能を教え、秘めていた悩みを打ち明け、かけがえのない友人となります。父の温かい言葉を渇望していた息子の心と、息子を守れなかったという罪悪感に苛まれる父の複雑な心情が、舞台上で繊細に表現されます。
現代的な衣装や照明、映像演出は、二人の人物の心理的葛藤を最大化し、ヘビーロックからカントリーロックまで多様なナンバーが観客の没入感を高めます。悲劇的な物語を260余年ぶりに、舞台の上で解き明かす「SHADOW」は、11月2日までソウル、江南区(カンナムグ)のペッカムアートホールで延長公演されます。
ミュージカル「SHADOW」は、現代的な感覚の衣装と繊細な舞台演出で作品への没入感を高めています。19曲に及ぶナンバーは、ヘビーロックからカントリーロックまで様々なジャンルを横断し、登場人物たちの感情を効果的に伝えます。この作品は、263年の時を超えて親子間の和解を試み、深い感動を与えます。